原爆内部被爆を認めない国の矛盾
放射能を含んだ稲わらを食べた牛の肉から暫定規制値を大きく上回るセシウムが検出され、全国で食品の安全に対する不安が広がっている。しかし食品安全委員会が放射能汚染の食品安全基準を決められないでいる。その理由は内部被爆の影響を分析したデータがないからだとしている。
政府は広島・長崎で一定のエリア外の被爆者に対して原爆症の認定を拒否してきた。これらの被爆者は直接的な強い放射線による外部被爆を受けていないが、黒い雨を浴て白血球の激減などの症状を起こしたり、後日市内に入って被爆した方が少なく無い。放射能を含む微粒子などを体内に取り込んだために内部被爆したことが原因と思われる。
同様の疫学的なデータはチェルノブイリ原発事故とバグダッドの劣化ウラン弾が使われた地域でも同じ結果が出ており、「晩発的な発症」「確率的影響」は否定できない事実となっている。
内部被爆は疫学的には関連性が強いと認められているが、政府は一貫してこれを否定してきた。しかし福島原発事故では「影響がない」とは言えず、食品の暫定基準をつくらざるを得なかった。内部被爆が想定される地域でも避難をさせてきた。
そのため福島では30㎞で避難地域に指定されているが、広島では10㎞でも被爆を認めないという矛盾を引き起こし、食品の基準でも「科学的なデータはない」と安全基準を作れずにいる。被爆者は「机上の線引きに固執している」と批判する。(毎日7/26)
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