2008年7月27日 (日)

母親大会で内野さんと

昨日の名古屋は最高気温37度の猛暑でした。その名古屋で日本母親大会が開催されています。

第一日目は名工大などで分科会が開催され7千人が参加しました。

私は「仕事も生活も」の分科会で助言者として参加しました。ゲストにトヨタ内野過労死裁判の内野博子さんが参加されました。

私は「日本一元気」な愛知でトヨタ下請けが「厳冬」に追い込まれ、期間工や派遣労働者、外国人労働者、研修生が日本一多くなっている現状を報告しました。

内野さんはトヨタの連続二交代が労働者の健康と家族とのくらしを困難にしているか、自分の労災認定闘争の経験も交えてお話されました。

全国からの参加者の発言は、ほんとうに厳しい職場のなかで頑張っている女性がたくさんいることを実感しました。看護師、教師、片道2時間通勤のNTT飯野さんなど次々。

IT職場でうつ病になり休職、家族の協力も経て回復してきた青年も発言がありました。体が動かせなくなり、それでも家族には連絡できない、考える余裕すらない状態を経験しました。また息子さんがトヨタ系の超過重労働で働いていたが、ATUなどの協力で職場を大幅に改善させてきた女性の報告もありました。

勇気をもって声をかけること、仲間を大きくして声をあげること、もっと多くの人に働くルールを知らせることなどたくさんの意見が時間いっぱい続きました。

終わってから内野さんとお話する時間がありました。講演の依頼も多く、二人の小学生を育てながら、仕事も続けており、手記を出版されるようですが、時間がたらないと言っていました。実にエネルギッシュな方です。

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2008年6月26日 (木)

グッドウィルと蟹工船

グッドウィルが廃業に追い込まれました。介護事業での不正発覚に続き、本業の派遣事業でも不正が相次ぎ、罰金刑・免許の取り上げとなりました。グッドウィルと折口会長はボロもうけをはき出して、派遣社員の雇用確保まで保障する責任があります。

今朝のNHKで、グッドウィルのニュースとともに本屋にずらっと並ぶ「蟹工船・党生活者」(新潮社)が紹介されていました。時代を超えた、この二つに共通するのは「中間搾取」でしょうね。労働基準法第6条は「誰であっても、法律に基づいて許される場合以外は、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」と規定しています。この許される「法律」というのが派遣法です。

派遣法の改正では日雇い派遣の禁止と派遣労働者をつかっている企業(派遣先)の責任を問うことが重要です。先の国会で改正案がだされるはずでしたが、未提出に終わりました。経営側の抵抗はもちろんですが、大企業労組や、派遣会社の意をくんだ労働組合のなかから登録派遣禁止に反対する意見が出されました。このような組合は「使用者のための労働組合活用法」にも紹介されています。

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2008年6月 4日 (水)

蟹工船

Photo 若い人達のなかで小林多喜二の「蟹工船」が話題になっているというので、本棚を探してみました。学生時代に「指定文献」になっていて、とにかく読んだものでそれっきりになっていました。

すっかり日焼けして黒くなった文庫本ですが、あらためて多喜二の生き生きとした文章に「これがあの暗黒時代に書かれたものか」と驚くばかりです。学生時代には多喜二が特高につかまり殺されたことに、すごいものを感じましたが、文学作品としてはそんなことにまで思いが及びませんでした。

さて、現代の奴隷労働ともいうべき「外国人研修生」問題について、昨晩から参院の仁比さんのところで「懇談会」がもたれました。全労連や関係組合、また研究者と多彩な顔ぶれで情報交換をしました。今朝はもう一度仁比事務所に行って追加資料を渡しました。

先日の中日新聞記事をみて、いろんな方から声をかけられます。さらに今日はマスコミ3社から問い合わせがありました。

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2008年4月29日 (火)

公的保育を守れ

Image0018 29日、栄の久屋市民広場で公的保育を守る集会が開催されました。主催は保育をよくするネットワーク名古屋。名古屋市内の公立保育園や民間保育園の父母会、労働組合などの仲間が広場いっぱいに集まりました。小さな子どもたちもいっぱい。模擬店や遊びコーナーも。

名古屋市は老朽化し建替える保育園を順次民営化していく方針です。建替えるさいに国からの2億円の補助金をもらうためです。父母からは不安と反対の声がひろがっています。民間保育園からも、公的保育の後退は民間保育園にさらに厳しい経営を強いることにつながりかねないからです。実際、他の都県で行われている民営化はコスト削減のための場合がほとんどです。一方で名古屋城の御殿つくりには150億円。これだけあれば70カ園も建替える事ができます。父母が反対するのは当然です。Image0017

パレードにはお日様を守れと運動をしている大森保育園、福保労のチンドンパラダイス(チンパラ)などががんばっていました。

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2007年12月 7日 (金)

トヨタのカイゼンは

Toyotaoka 本屋にはトヨタ本があふれ、トヨタ流労務管理がもてはやされているが

もうければ何をやってもよい、人間を極限まで追い詰める「カイゼン」に裁判所は断をくだした。11月30日、名古屋地裁はトヨタ堤工場の内野さん(当時30歳)の死を長時間残業による労災死亡と断罪した。

会社とトヨタ労組が「労使共同宣言」をして徹底的な労務管理。奥さんの博子さんは1歳と3歳のおさな子をかかえて裁判にたちむかった。

内野さんとそれを支援する仲間、トヨタの生産方式を赤旗日曜版の岡さんが徹底的に取材した本が発行された。

「トヨタ世界一の光と影」(いそっぷ社)

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2006年12月11日 (月)

ワーキングプア

NHKの「ワーキングプアⅡ」を見ました。中国の青年が「お金がほしい」と言っていたのが印象的でした。岐阜の中国人研修生の話は岐阜労連の平野事務局長からいろいろ聞いています。彼らの多くはブローカーに莫大な借金を払っている場合や中国の中でも非常に貧しい地域から出稼ぎにきています。

愛労連にもベトナム、パキスタン、インドネシア、ネパールなど様々な相談がきています。これでしかやっていけないほど中小下請け企業への単価引期下げが行われています。

3人のコメントがありましたがくせ者は経済財政諮問委員会の「八代」。NHKでは「最低生活保障は必要」と言っていましたが、彼の審議会での発言はそんなものではありません。彼の口癖は「国際競争力」「効率のよい社会保障」そのための「規制緩和」。以前のTV東京の生番組で「タクシーの規制緩和で年収ゼロだったひとが年収200万円で働けるようになった。しかし格差があるのは400万円で働く正社員が未だにいるから。自由に解雇できるようにすれば全員200万円になって格差はなくなる」と言っていました。隣でニュースキャスターがけげんな顔をしていました。今回そこまで言わなかったのか、NHKが編集したのかわかりませんが、審議会の議事録をみれば彼が解雇規制を撤廃せよと主張している張本人だとわかります。

NHKにはもっともっと現場をみてほしいと思います。

ところで京都や東京のお年寄りがでていましたが、両方とも全労連加盟の「土建」組合の紹介だと思います。NHKは全労連系の組合からしか取材できないことを知っているのに全労連系の組合名は出しませんね・・・・。言い訳は「片方だけだとバランスを欠く」というようですけど。

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2006年10月 2日 (月)

生協の仲間

10年前に経営者の粉飾決算により倒産した釧路市民生協を支え、支援した仲間たちと久しぶりに再開しました。全国の生協のなかまの支援をうけ、S委員長、パート労組のO委員長などが頑張って職場の仲間を団結させ、今日の生協をつくってきました。

10年ぶりにお店を見せてもらいました。組合員がどっと押し寄せてくる、とても良いお店でした。釧路の地にいま、こうして立派な生協があり、組合員から支持をされているなんて、あの当時には夢にも想像できませんでした。

仲間達と会ってほんとうに涙がでるほどうれしかった。全国どこにいても「生協のなかま」です。

Image0026 昨日と今日は道東を一周してきました。当時生協労連でいっしょに活動したなかま達とのOB会です。朝釧路を出発、摩周湖は晴れ上がって、とてもきれいでした(写真)。網走刑務所の水路にまで鮭が遡上していました。ウトロに宿泊、翌朝の知床峠では羅臼岳もくっきり見え、羅臼からは国後島もうっすら観ることができました。

今回あえなかった仲間達ともまた2年後を楽しみにしています。

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2006年9月11日 (月)

監督官もつらいよ

パロマ問題に明け暮れた先週でした。(「パロマ110」参照)

週末に労働基準監督官をされている方のお話を聞く機会がありました。公務員の不祥事だとか、監督署の所長がトヨタ系の企業からゴルフ割引券をもらったとか、どうしようもない人ばかりがマスコミの話題にあがるなかですが、こんなに一生懸命やっている人がいるんだと思いました。

愛知では、いま偽装派遣が横行しています。トヨタ企業の集中する西三河では求人の半分が派遣か請負。その7割近くに違反があるとか。そんななかで令状をもって「臨検」にいくのが監督官のしごと。

あるところでは、いきなり鍵を閉められ、それでもぶち破ろうとしたら、中でゴルフのクラブを振り回している。こんなところにも一人で行かなければならないという経験もしたそうです。

彼の個人的分類(経営者)

何を言ってもだめな経営者。最初から法律を守るつもりも知識もない。>偽装派遣・請負に多いのは悪質ブローカー

返事は良いが、言った事を何もしない会社。急成長した会社に多い。>そりゃパロマだよとW先生

大企業病にかかったところ。サービス残業がなくならない。>代表格がT自動車関係とかT電か。

こんな企業ばかりあいてに、最近2度も大きな摘発をしています。現場の監督官のみなさんご苦労様です。大臣はもっと大企業を指導するように!!

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2006年3月31日 (金)

「ニート」って言うな!

本田由紀さんらの書いた本を読んでいます。行政が若者問題を主として“ニート対策”としていることに対する異論が提起されており、関心を持ちました。最初のほうの指摘は統計の取り方。厚労省と総務省では数字が大きく違いますが、さらに諸外国との違いもあります。

またこうしてとった統計の「ニート」をすべて「働く気のない若者」ととらえることに間違いを指摘しています。統計で言われる「ニート」の中に半年前まで働いていた青年が多いこと。働きたいが仕事がないこと。病気などで働けない青年、とくに仕事でうつ病などになった青年などが多数含まれることなどが指摘されています。

「ニート対策」の多くが「就業意識に欠ける」青年対策となっていますが、青年の多くは「ちゃんと働けるところがあったら働きたい」「自分らしく働きたい」と思っています。ところが求人の半分以上は「非正規雇用」です。また正社員として就職しても連日の残業や、職場に数少ない青年に過重な責任を負わされています。「あんな正社員にはなりたくない」という声をよく聞きます。

非正規社員の8割が年収200万円未満という統計もあります。非正規の増加は若者が自ら選んだのではなく、雇用流動化「政策」として作られたものです。これを「働く気のない若者が急増」と誤解させる「ニート」統計に対する批判は痛快です。

「ニート」って言うな!(光文社新書)

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